最近各種ダムの増加につれ洪水時のゲート操作について、色々問題が生じその運営について慎重な考慮を払う必要が再認識されている。しかしながら、ダムはその特性上一般河川と異なりダムの設置目的により差があるが、貯水能力を備えており洪水に対する判断を誤る時は洪水を助長する可能性も多分に含んでいる。現状では洪水原因たる降雨についての予報はまだ詳細なものでなく、単に広域的な予報している程度で、ダム操作には入手し得る水文的条件によって判断しなければならない。このためにはダム地点の流入解析を行ない、その特性を十分知っておかねばならぬ。当桂沢ダムにおいても多目的ダムとして昭和32年竣功以来5箇年を経過したが、昭和36年7月の集中豪雨、昭和37年8月の台風による出水はいずれも計画洪水総量を上廻る大洪水であったが、良くその効果を発揮し幾春別川流域の洪水を防止した。しかしながら、操作当事者にとって流入量の予知ができぬことは非常な不安と疲労の原因となったので、既往の洪水について解析を試み、さらにダム操作への実用的使用方法を求めんとしたものである。現段階ではまだ十分満足すべき結果ではなく、実用段階についても、考察を進めていないので中間報告とする。 |