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 台地土壤(重粘性土壤)の生成論的研究

作成年度 1963年度
論文名 台地土壤(重粘性土壤)の生成論的研究
論文名(和訳)
論文副題 昭和37年度(43)
発表会 昭和37年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和37年度技術研究発表会
発表年月日 1963/08/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
北川芳男
近堂祐弘
松野正
佐久間敏雄
抄録
第5回技術研究発表会において、「オホーツク海沿岸地域の重粘性土壤とその改良について」と題して、オホーツク海沿岸地域を地質、地形の特性より、4地域に区分し、その各地域に発達している土壤についてU.S.D.A.法(米国農務省法)により分類した。しかし、その後の調査の結果、U.S.D.A.法による分類は、重粘性土壤を適確に表現し得ないことがわかった。これはU.S.D.A.法の分類方法が、その土壤の主成的特性を表現し得ない欠点のためであり、しいては、農業技術、土地改良の面にも適切に利用し難い。それゆえ、現在、ヨーロッパ、ソ連で広く行なわれている下降式分類体系により、分類を試みた。それは次のとおりである。生成的土壤型(Soil genetic type)-土壤亜型(Soil sub type)-土壌属(Soil genus)-土壤種(Soil species)生成的土壤型は次のような基準に則して分けられる。1)有機物の集積、分解の特徴が同一であること。2)無機物の分解や2次生成物の合成過程が同一であること。3)物質の移動集積状況が同一であること。4)土壤断面の構成が同一であること。5)肥沃度の増進、維持方法が同方向なこと。さらに、低次の分類にも各々その基準が決められている。これら分類体系は、重粘性土壤の特性を明確に表示できるのは土壤属の段階である。すなわち、母材の岩石的特性を強く表示し得る。これらは、重粘性土壤次の特性によるためであるという前提に立っている。1)北海道における現在の土壤生成作用の所産ではない。2)母材の岩石的特性(粘土質)である。a)母材として堆積したときに、粘土質の物質であった場合b)母材として堆積したときには、比較的粒径の粗い物質であったが、その後の古土壤作用(古風化作用)により埴質となった場合。地質、地形、気候条件は第5回技術研究発表会の発表と同じである。生成的土壤型が褐色森林土、類似グライ土であってもT1面、T2面段丘堆積物を母材とした場合は重粘性土壤の特性を有している。しかし、T1面段丘堆積物が母材である場合はAlltic materialと考えられ、T2面段丘堆積物を母材とした場合はSiallitic materialと考えられる。また、T1面、T2面、T3面に酸性褐色土~疑似グライ土~泥炭質グライ土~泥炭土が徹地形によりCatinary associationを形成している。これはT1面、T2面にとくに特徴的にあらわれる。これは母材が粘土質の物質である特性による。各段丘面の理化学的特性をみるとT1面~T2面~T3面の順に酸度は弱くなり、置換性塩基含量は高くなる傾向を示す。また、T3面はリン酸吸収係数がないが、これは母材のローム質のためであろうと考えられる。なお、土壤粘度の粘土鉱物をみると、各段丘面に極端な違いはなく、主に、14A鉱物(モンモリオナイトあるいは、バーミキュライト)ヒイライトとカオリン鉱物である。なお、オホーツク海沿岸地域について、土地改良工法と土壌の相関関係についても検討中である。
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