高張力異形鉄筋には、SSD49、DACON、TRICONなど種々のものができているが、その中にTWISTBARがあると、われわれが初めてその名を耳にしたのは、昭和37年のことであった。その当時は未だ建設大臣の使用認可が下りていなかった。しかし、北大や東大の研究結果をみると、ほかの高張力異形鉄筋と同様に使用し得るものと考えられたし、又ドイツのRippentov Stahlはこのツイストバーと殆ど同じものでありながら、同国で非常に多く使用されている事実もあり、大いにわれわれの関心事であったが、これを全面的に使用するには、いささかの不安と対外的な問題を含んでいるので、札幌市内の十分に監督及び確認のできる地域の、かつ小規模の建物への使用により、設計及び施工の点などのテストをしてみる気になった。そこで対象としてとり上げられた建物が、当時当営繕部で設計途次にあった札幌陸運事務所庁舎及び国土地理院北海道測量部庁舎(これに接続して札幌開発建設部車庫を増築の予定)である。その理由は前者は梁をできるだけ小さくしたいという設計者の意向と、後者は増築側に大スパンを予想される事から、小断面と経済性、施工性などの設計・施工両面のテストになると考えたからである。 |