近年橋梁などの土木構造物の基礎として、長尺もののクイ基礎が盛んに採用されるようになったが、土中に打込まれたクイのはたらきについては詳らかでないことが多い。したがって、現在一般に行なわれているクイ基礎の設計、施工は十分合理的であるとはいいがたい。このため、北海道開発局では、本課題を技術研究発表会の要望課題として昭和36年度から採りあげ、本年度で3箇年継続して調査研究をすすめてきた。前年度までは、クイ基礎に関する基本的な問題について調査・検討を加えたが今年度は群グイ効果およびクイの横抵抗をとくに主眼とした調査・検討を行ない、合理的なクイ基礎の設計方法を確立するための資料を収集することとした。年度当初に取りあげた検討する事項は次のとおりである。(1)クイ基礎の垂直荷重に対する支持機構(2)クイ基礎の水平荷重に対する支持機構(3)その他ⅰ)構造物完成時におけるクイ基礎の支持機構の検証ⅱ)クイ支持力の地盤土質との関連における経時変化今回、資料を提出した基礎グイ試験現場の橋梁名は次のとおりである。女満別橋(網走開発建設部)南沢橋(釧路開発建設部)浜益橋(札幌開発建設部)岩見沢跨線橋(同上)なお、このほか札幌開発建設部の岩見沢大橋の基礎グイ試験が対象に挙げられていたが、試験期間の都合で、今回の技術研究発表会までに資料の提出が間に合わなかった。 |