堤内地の湛水の排除が近年問題になってきているが、これは河川改修工事の進捗により、洪水に対する安全性が増したので、従来河川改修において第2次的に考えられていた内水排除に対する関心がたかまってきたことと、特に最近、洪水頻度、流量の増大、土地利用の高度化などにより一層身近かに感ぜられるようになったためであろう。本文でとりあげた旭川市街地区も、石狩川および忠別川の合流する地点なので、2川の改修工事が進むに従い、合流部の締切りとともに内水処理問題が生じ、その検討が必要となったのである。流域は石狩川及び忠別川に挟まれ、宗谷本線より以西で旭川市の中心地であり内水排除対策は、その人口密度(市下水道計画人口102,000人)の大きいことからも重要問題と考えられる。地勢は内水排除地点において、河川勾配は比較的緩やかであり、連続降雨に対しては自然排水によって完全な無害処理は考えられず、また旭川市において、昭和33年度より下水道10箇年事業を起し.昭和42年度を以って完了すべく進められているので、この計画とも関連して、内水の妥当な処理方法の立案を急がねばならなくなったのである。本文では外水波形は3日連続100年確率雨量を用いて、貯溜関数法によって決め、内水波形については、単位波形を3角形と仮定し、50年確率雨量を採用して決め、種々検討の結果ポンプ排水の必要なことを示したのである。 |