泥炭性地盤を構成する土質は大きな間ゲキ比を有し、非常に軟弱なため、泥炭地に盛土を行う場合は、沈下の量や沈下に要する時間などの他に破壊に対する検討が必要である。土木試験所では、この間題について早くから研究をすすめ、いわゆるフローテングメソードを採用する場合についての理論的あるいは実験的裏づけをして、施工方法に対する指針を与えてきた。しかし最近のように道路整備が急がれるようになると、泥炭地の基盤強化を図り、盛土による沈下を短期間に終了させるなどの方法を講じて、道路盛土の完成に要する時間をできるだけ短縮することが必要となってくる。地盤改良工法には、いろいろのものが考案され、たとえばサンドドレーン工法や、コンポーザー工法などは、粘性土や砂質土の地盤に対して各地で実施されつつあるが、泥炭地のような特殊な土質に対しては、調査試験例が少なく、その効果についても十分解明されていない。土木試験所では、札幌開発建設部の協力を得て、泥炭性軟弱地盤における盛土基盤処理としてのサンドドレーン工法、および、コンポーザー工法の効果を検討するため、昭和37年度から調査を継続している。この報告は、約2年間にわたる観測結果に検討を加えたものである。 |