室蘭開発建設部管内の土木材料は、各地地区にて豊富に、かつ安価に手に入り、その土木工事における工事費の低減に大きな役割を果している。そのうちで、ほかの建設部管内で生産されていない材料に、高炉セメント鉱滓バラスおよび舗装タール等がある。高炉セメントおよび鉱滓バラスはすでに大いに利用されているが、舗装タールは、まだ試験的に使用されている段階で実用化されていない。今回は、過去3年間の試験舗装の状況を、安定処理工を主体としての資料を取りまとめたものである。タール舗装の歴史は、その発祥地である英国において100年以上になり、また、その他ヨーロッパ諸国においてもかなり古くから実施されているようであるが、我が国においても、八幡製鉄のコールタールが舗装材料として検討されてから40年を経過している。室蘭開発建設部において、タールを舗装に使用したのは、昭和26年に表面処理に使用したのが最初であるが、当時は、タールの質も悪く、作業員が刺激性の悪臭に悩まされ、皮膚疾患等を起.したため、その翌年を最後に自然と使用されなくなった。その後、昭和34年に舗装タールが工業規格化され、生産者側の研究の結果、JISに合格する製品が造られ、タールを舗装に使用してみようという気運が盛り上り、その結果、1級国道37号線に試験的に使用されたのが、当建設部におけるタール舗装のはじまりである。タール舗装の種類には1.単純な防塵処理2.路面処理3.滲透式タールマカダム4.混合式タールマカダム(タール安定処理)5.高安定度タール舗装(タールコンクリート)がある。試験舗装は、基層としての滲透式タールマカダムとタール安定処理工及び中間層としての(摩耗層として1.5cmのアスファルトモルタルが、その上にある)粗粒式タールコンクリートについて実施した。 |