2級国道札幌虻田線は札幌を起点として定山渓国道(札幌~中山峠)、中山国道(中山峠~三ノ原)、洞爺国道(三ノ原~虻田)からなり虻田町に至るもので、沿線には莫大な林産、鉱産、農産資源を有するはかりでなく、支笏洞爺国立公園と云う自然景観の秀れた国際的観光資源を有している。本路線の内の通称中山峠は、東本願寺の布教道路として現如上人が明治3年から1年有余の歳月と延人員55,000人、工費18,000両を費して開削されて以来、時代と共に局部的な改良が加えられてきたが、幅員挟少であり、屈曲部多く、勾配急で加えて砂利道であったため、近年交通量の増大と共にその改築が望まれていた。札幌開発建設部管内では昭和33年度を初年度とする道路整備5箇年計画に基づき、まず札幌(藻岩橋地先)~定山渓間の改築がとりあげられ、延長21.180km、改築費19億円を費し昭和38年に竣功を見た。定山渓~中山峠間については、当初改良工事のみの計画で車道幅員は5.5mで路線を選定していたが、その後の経済発展と図40-1の通り自動車交通量の飛躍的な増加もあり、昭和37年に車道幅員が6.5mに変更され舗装も行なうように計画された。現場ではその後も路線の検討を続け、昭和38年末に路線の決定を見、昭和39年を初年度とする5箇年計画で改築工事にとりかかった。その間の路線選定の経緯を報告するものである。 |