近年、橋梁などの土木構造物の基礎として長尺クイ基礎が盛んに採用されつつあるが土中に打込まれたクイのはたらきについては明らかでないことが多い。したがって、現在一般に行われているクイ基礎の設計、施工には解決すべき問題が多い。このため北海道開発局では、本課題を技術研究発表会の要望課題として昭和36年度から採り挙げ、本年度で4箇年継続して調査研究を進めてきた。前年度までは、パイル・テストによるクイ支持力の推定方法、クイ基礎の設計上必要な調査試験事項、土質との関連における水平地盤反力係数(k値)の決め方、応力測定によるクイの水平力に対する支持機構、打込み時のクイ応力、斜グイおよび組グイの水平力に対する有効性、クイ支持公式の適用性、基礎グイの横抵抗における群グイ効果などの問題について調査し、いくつかの現場試験データにもとづいて検討を行った。本年度は、既に検討を試みてきた諸問題をデータの附加によってより明らかなものとし、その検討結果の信頼度を高めることを意図するとともにサウンディングによるクイ支持力の推定方法、組グイの横抵抗、動的水平荷重に対するクイの横抵抗などの問題についても調査、検討を行ない合理的なクイ基礎の設計方法を確立するための資料を収集することとした。今回、検討するための資料を提供した主な基礎グイ試験現場の橋梁名は次の通りであるが必要に応じて既に得られている現場試験データも使用した。 |