近年、わが国における道路事業の伸びは著しく、それにともなって橋梁工事も増加している。このうち中小橋は規模は小さいが数が多いだけにかなりの割合を占めている。最近、製作・加工・施工の簡便さから、支間20m程度の中小橋に,H形鋼を用いた組立式のプレハブ橋が多く用いられるようになってきているが、此の場合でも、鋼ゲタの架設は極めて簡単に完了するが、コンクリート床板の施工には、型枠工、鉄筋作工、コンクリートの打設、養生などに非常に長い工期を要している実情である。市街地における橋梁工事とか、作業適期の短かい北海道などにおいては、できるだけ工期を短縮することが大切であり、また一方プレハブ利用の点からもなるべく現場施工を少なくすることが必要である。これに対する一工法として、プレキャストコンクリート板を床スラブに使用する合成ゲタが考えられ、わが国においても既に数橋架設され実用段階に入ろうとしている。本報告は、プレキャストコンクリート板をH形鋼にエポキシ樹脂で接着した合成ゲタの模型について、静的載荷試験、繰返し荷重による曲げ疲労試験を行ない、接着剤の厚さ、荷重条件が耐荷力におよぼす影響、破壊の状況を調べたものである。 |