旭川市は石狩川、忠別川にはさまれたデルタ地帯であるため、改修工事の進捗につれ、各所にある樋門、樋管によって排除できなくなった余水が栄川を、流下して外水位が高くなってくる時点に、市内で最も標高の低いこの合流点付近に集まってくることになる。したがってこの箇所の築堤を囲続することによって締切ってしまう前に内水処理の方法を決定する必要から、種々の検討を行ない昨年の第8回の発表会で報告したように、ポンプ排水が必要であるとの結論をえていたのである。ところが一方旭川市において、昭和33年より進められてきている下水道10ケ年計画が度々の規模拡大により、汚水と一部低地域(1.26k㎡)の雨水も含めて5.76 m3/secポンプ排水をする計画に改められ、昭和42年度までに完工する運びとなってきた。したがって従来考えられなかった栄川の逆水堤案管水路案が浮かび上り、これら3案に対する比較検討が必要となってきたのである。本文では水理学的には3案のいずれも可能であるが、経済的にはポンプ排水案と逆水堤B案が優れていることを示したが、この2案についてもポンプ排水の場合はその維持の問題があり、また逆水堤案(B案)の場合は用地の取得等の難点があるので、今後さらに比較するように示したのである。 |