現在供用を開始している現道上で道路工事を実施する場合、先ず考えなければならない事は、交通に支障を来たさないでその工事を完成させるかと言う事である。札幌市内のように交通量の非常に多いところでは、夜間になって交通量が少なくなった時間を選び、翌朝までの短かい時間内に出来るだけ早く、かつ、出来るだけ良い品質の工事を実施すると言う方法をとらざるを得ない。すでに東京都内をはじめ、他の大都市においては、数年前から夜間作業による道路工事を実施して大いにその成果をあげて来ているが、札幌市内においては、夜間作業による道路工事の歴史は浅く、またこれに関したまとまったデーターもない。札幌開発建設部においては、昭和39年度に駅前通の道銀本店前西側部分を延長65.2mにわたって面積的800㎡(舗装は昼間作業)施工したものと、同じく北1条通りの西3丁目から東6丁目に至る延長的1,300m、舗装面積的14,000㎡の細粒式アス・コンによるオーバー・レイ工事を実施した等、僅か2、3件の例があるにすぎない。しかしながら、本年度実施した駅前通りの南2条通りから仲通りまでの拡幅および修繕工事のように、同日中に掘削した箇所は、路盤工をつくり、かつ、アス・処理基層までを仕上げて翌朝には、一般交通に支障なく開放すると言う工法をとった工事は、はじめてのものである。本文はその施工概要について報告するものである。 |