近年交通量の急増にともなって、交通事故や、交通渋滞などの現象が増大し、大きな社会問題となってきた。このため交通工学的な見地から道路施設の計画設計、あるいは、各種の交通管理、交通規制を効果的に実施する必要性が認識せられ、諸外国をはじめとして、わが国でもようやくそれらの研究が実施されつつあり、建設省においても昭和36年度から「道路および交通条件の自動車走行速度に及ぼす影響に関する調査」、昭和39年度からは「交通容量に関する調査」として技術研究会にとりあげ全国的に観測調査を継続し、データーの集計とその解析が進められており、しだいに我国の自動車の交通特性が、究明され、最近の道路の諸計画に際し、現行の「道路構造令」ではふれ得なかった高速道路や自動車専用道路の交通容量を定める作業、又「道路構造令」に示されている一般道路の交通容量の値についても、その後の交通情勢の変化により、再検討がおこなわれている。本稿では、これら一連の調査と平行して北海道における代表的な地方部2車線道路における夏と冬の交通特性を知り、今後の道路計画の参考にすべく、昭和39年度より実施した観測資料の集計と簡単な解析をもとにして、寒地道路交通の特性について中間的な考察をこころみたものであるが、このような複雑かつ広汎な問題のすべてを見ることは不可能であり、今後の調査研究の必要性を痛感するしだいである。 |