石狩川の支川千歳川は上流部に広い火山灰地帯をもち、河床こう配が非常にゆるやかであるために(約1/6,500)流出時間が永く、石狩川との合流点水位による背水の影響を受ける区間が長い(約40km)。また、既往の洪水において、石狩川合流点での最高水位生起時刻と千歳川の最大流量発生時刻との時差が小さい例がしばしば見受けられる。したがって、千歳川の改修計画作成にあたっては千歳川の流量と石狩川合流点水位およびそれらの最大値の発生する時刻の時差との関係を考慮せねばならない。しかし、過去の洪水から最大流量発生時と最高水位発生時との時差は小さいと考えられるから千歳川流量と石狩川合流点水位との2変量の関係を二変数確率論的に取扱って考察する。一般に河川の流量および水位は降雨の規模に比例して増すと考えられるから、千歳川の流量と石狩川合流点水位そのものを用いて解析する方法のほかに、両者をその原因である降雨によって代表させ、それらについて解析を行なっても意義を失わないと考えられる。本研究はこうした千歳川の実情にかんがみて、千歳川の流量と石狩川合流点水位との関係を解明する一連の計画のうち、とくに千歳川の流域内降雨(これを支笏湖雨量で代表させる)の旭川雨量との関係を二変数確率論的に取扱ったものである。 |