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 海岸変形と波のエネルギーについて

作成年度 1967年度
論文名 海岸変形と波のエネルギーについて
論文名(和訳)
論文副題 昭和41年度(75)
発表会 昭和41年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和41年度技術研究発表会
発表年月日 1967/12/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
井波宏之
抄録
海岸の地形的変化は複雑で、海岸の底質の性質、来襲する波の特性等によって影響されることが知られている。Johnsonはこれらの要因のうちから波形勾配との関係に注目し、H/L=0.025を境にそれより大きな波形勾配の波では海岸に沿岸砂洲が形成され浸食性の冬型海浜となり、またH/Lが0.025より小さい波では沿岸砂洲は消失してStep状の夏型海浜を形成すると述べている。しかし岩垣等の実験では海浜の断面形は単に波のH/Lだけによるものではなく、底質の性質にも密接な関係がある述べている。一方、実際の海岸における沿岸砂洲の平面的形状は決して一様に連続したものではなく、砂洲が幾重にも形成されたり、砂洲とStepが断続したりして、夏型の海浜と冬型の海浜が複雑に入り混っている。したがって海浜の断面形からその海岸が堆積性であるとか、浸食性であるとかは直ちに判断することは出来ない。いづれにしても海岸の変形と波の特性との関係は密接である。しかし現在のところ両者の関係は定性的に把握されているにすぎず、時間的要素を含めた量的な取り扱いは困難である。筆者は昭和38年から2ケ年にわたる内浦湾の海岸浸食調査に参加し、海岸変形の量的な取り扱いの試みとして、毎月の汀線距りおよび前浜土量とその期間に作用した波の沿岸方向のエネルギー量との比較を行ない、両者の関連性について検討した。その結果汀線の前進、後退は沿岸方向の波のエネルギー量および波の入射方向に関係することがわかった。とくに波が斜に入射する海岸でしかも季節的に波の入射方向が反対になる海岸では両者の関係は一層明瞭であった。
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