道路および河川構造物の基礎として各種の基礎形式が選定され使用されているが、従来の選定方法はあいまいな点が多々あるように思われる。原則としては、各種形式についての比較設計を行ない、工費、工期、施工などの面から検討を加えて最も適当な基礎形式を選定すべきであるが、現状では過去の習慣などに左右され、必ずしも純技術的に処理されていない場合が多い。昭和41年度建設省技術研究会において共通部門の指定課題の1つとしてこの問題がとりあげられたので、北海道開発局もこの調査を分担することとし、さらにこれを北海道の地域的立場から検討を加えるため、ここに今年度の要望課題としてとりあげることとした。調査対象は北海道開発局管内の橋梁、河川構造物の代表例とし、調査の方法は、建設省技術研究会指定課題で定めた調査票に従った。また、同時に、すでに提案されている構造物基礎形式選定に関する文献調査を行なった。調査結果の検討方法は、まず、各開発建設部が調査した32の資料を整理し、建設省技術研究会ですでに全国から収集し整理した資料として対比させて、北海道における構造物基礎形式選定の現状を大局的に把握することとした。ついで、文献調査の結果と今回の調査資料に対する検討によって把えた北海道における構造物基礎形式選定の現状を併せて考慮し、基礎形式選定基準についての素案をまとめた。 |