現在北海道においてとられている舗装道路の凍上対策は置換工法であり、この場合の路体構造は一般に凍上対策路盤・基層・表層等から成るが、開発局道路工事設計基準によれば、路体の総厚は凍結深度および路床支持力の双方を基準として定めることになっている。しかし現在、路床支持力との関連において路体総厚を具体的に明示したものがなく、凍結深度のみによって路体総厚を定めている。また路盤材料についても、難凍上性という条件から、その品質を厳しく仕様されているわけであるが、施工時に最終的に得られる路盤支持力は仕様基準値を上廻っていることが解っている。しかし、支持力は季節的な変動をするものであり、特に凍上、融解にもとづく路盤支持力の低下は無視できないものがあり、融解期においてどの程度の支持力が確保されているかということを確認する必要がある。この要望課題は将来交通量の増加の推移から現行の路体構造と支持力の関係を照査検討し、寒地舗装道路の合理的な路体構造を決めるための基礎資料を得る目的で、昭和38年度を初年度として調査研究を行なっているものであり、41年7月をもって一応調査を終了したものである。本報告はこの課題について38年度から41年度までに調査を実施した箇所の調査結果を取まとめ報告するものである。 |