置換工法による場合の路体構造は、一般に凍上対策路盤・基層・表層等からなり、開発局道路工事設計基準によれば、路盤工の厚さは、凍結深度および路床支持力の双方を基準として定めるものとしている。舗装を含めた全厚の標準は、函館附近60~70cm、旭川および帝広附近90~100cm、その他は80cm程度としている。また、特に凍上対策路盤材料については、凍上性の点からその品質を厳しく仕様している。寒地舗装道路の路体構造を合理的に決定するためには、路盤材料の種類と施工厚さを変えた場合の支持力について、路床支持力との関連において検討し、またこれら路盤材料の種類や施工厚さを変えた場合に凍上抑制効果がどう変り、融解時にどの程度の支持力を確保することができるかということを確認しなければならない。さらに基層や表層等の工種によって、どの程度の支持力と一様性が路盤に要求されるか、特に凍上最盛期や融解期において、これらの基層や表層がどの程度の不斉支持力や変形を許容することができるかということも、あわせて検討しなければならない。本調査研究はこれらの問題究明の一環として、実際道路における路体材料の品質特性および路体構造と支持力との関係を調査し、舗装道路の路体構造を合理的に決定するための基礎資料とするために昭和41年度を初年度として行なった。 |