クイ基礎は、他の基礎型式に比較して多くの特性を有しており、構造物の基礎として広範囲に採用されている。今後も工法の開発、改良が行なわれるとともに、使用される機会がますます多くなるものと思われる。また、クイの支持機構についても、その利用度が高まるにつれて、種々の試験研究が行なわれ、不明な点が次第に明らかにされてきている。しかし、まだ群グイ効果、負の摩擦力、地震時の挙動などというような重要事項が未解明な状態で残されており、合理的なクイ基礎の設計方法が確立されるにいたっていない。当研究室では、そのようなクイの支持機構の未解明な問題を基礎地盤土質との関連において検討を加えるため、昭和36年以後各地方部局と協力して、主に橋梁架設現場を対象に各種のクイ試験とそれに附随する土質試験調査を実施してかなりの成果をあげてきた。しかし、各現場から収集する資料は、主として工期の点から試験にかなりの制約を受けるために、一現場から多くの種類のデーターを採るのが困難なことと、各現場によって土質が異るためクイの支持機構にそれぞれ差があり統一的な検討を行なうことがむずかしいというような欠点がある。そのため、昭和40年度に美唄市西美唄大曲地内にクイ試験場を設け、40、41年度と基礎地盤土質調査試験を行ない、本年度から種々のクイ試験を実施することとなった。本報告は、大曲のクイ試験場で実施しているクイ試験の計画の内容について述べるものである。 |