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 石狩川流域の降雨特性とその河川計画への適用について(第1報)

作成年度 1968年度
論文名 石狩川流域の降雨特性とその河川計画への適用について(第1報)
論文名(和訳)
論文副題 昭和42年度(40)
発表会 昭和42年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和42年度技術研究発表会
発表年月日 1968/12/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
山口嘉之
斉藤清晴
抄録
河川を改修するための計画は水系一貫した治水と利水との総合的なものでなければならないとされている。いま河川の計画を治水計画と利水計画との2つに分けた場合、その目的とする所は、治水計画では洪水を氾濫させることなく下流へ流送することによって、人命資産を守ることであり、利水計画では、水資源の実態を的確に把握し、これを有効に利用して産業基盤を安定させることであると言える。いま治水についてのみ考えても河川計画の内容は実に多くの要素からなっている。すなわち、上流には洪水を調節するためのダムを計画し、中、下流には氾濫を防止するための堤防を築き、さらに下流では流水の疎通能力を増すための浚渫を行なう等である。そして、これらの事がらを具体的に行なうために、計画の基準となる量を推定し、構造物の規模を決め、工事費、地域的な重要度、施工上の問題点などを考えて建設の年次計画を立てるなど多くの作業がある。治水計画の基準となる量は、現在では基本高水のハイドログラフおよび計画高水流量であって、これらを決めるための考え方として現在もっとも一般的なのは確率雨量を考える方法であり、これは降雨現象は全く確率的な現象であるとするやり方である。高瀬の研究によると、雨量や流量などの水文量には確率的な現象であると考えても良いものが数多く有ることが示されている。しかし、水文量の系列に卓越した周期的変動や傾向的変動があれば、それらを取り入れることによって、より合理的な計画が立てられるはずである。つぎに、石狩川のような大流域を持つ河川では、全流域に100年確率降雨が降ることは考えられず、大雨量域が上流、中流あるいは下流に偏るのが普通である。いま、ある支流の流域に100年確率雨量があったとして、その場合に本川の流量の規模はどの程度であろうか、という問題は、計画を立てる場合に、しばしば我々を悩ませる問題である。本論文は、このような問題点を解決し、より合理的な河川計画を立てるための一連の研究のうち、第一報として、次のような点について考察したものである。すなわち、(1)石狩川流域内の3基準地点、札幌、岩見沢および旭川における最大3日間連続雨量の系列とこれら3地点のうちに各年度における最大値をとり出した系列とについてコレログラム解析を行ない、それらの系列にどのような周期が卓越しているか、また過去の洪水と雨量に見られる周期性との間にはどのような関係があるかを調べ、計画への適用について考察した。(2)過去の降雨資料を気象原因で分類し、それぞれの生起頻度を調べ、本川と支川との合流の問題への適用について述べるとともに、この問題に(1)の解析結果を適用することについて考察した。
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