昭和41年度の開発局技術研究発表会において、「函塊中詰砂石の効果的填充方法について」と題して、我々が、従来実施してきた方法では、果して、設計条件を満足させる結果が得られるかどうか、又、経済的に且つ迅速に施工できるか等を検討して、今後の設計・施工の参考としたいと考え、調査を実施した結果を報告したが、種々な制約から充分な調査が出来なかった為、今後の調査の方向付けしか出来なかったので、本年度これをもとにして、調査対象を集約して、実施した結果をまとめて報告することにした。一方、開発局研究会港湾部門でも、要望課題として、「港湾工事の重量構造物の研究について」が、取り上げられ、その中に函塊中詰材料について、今年より、4年間にわたり、調査することとなっているので、より一層、良いアイデア、調査方法、施工方法等が見い出されるものと思うので、今後の成果を期待したい。昭和41年度調査結果の概要41年度の調査は回数が少く且つ多くの欠陥を含んだままのものなので、数量的な把握は困難であるが、大体の傾向をつかむに止まった。以下その概要を記す。(1)玉石と割石使用の場合の優劣玉石使用の場合の方が、空隙率が少く、且つ空隙に入る砂の割合が多い。即ち砂が流入しやすいので有利のようである。(2)単層と多層石材を或る層厚投入した後、砂を流下させる方法を反復する方法が、良好な結果が得られる。(3)砂の自然流下とポンプ注入による流下ポンプにより水流を起して流下させる方法が、自然流下の場合より、若干良いようであるが、大差はない。(4)コンプレッサーにより空気注入する場合空気注入圧が大きい場合は、一旦流下した砂が、攪拌されて浮上する傾向があるのと石材、砂粒間に空気が附着したり、保育されて、却つて悪い結果が出る様である。(5)ポンプ注入用のパイプの吐口先端に一孔より、中間にも数個の孔をあける方が良い結果が出る様である。(6)石材、砂の粒径による検討は出来なかった。以上の事より、昭和42年度は、玉石と割石を使用し、層厚の違い、及び自然流下とポンプ注入による効果に重点を置いて調査することとした。 |