深浅測量は港湾工事においては不可欠なものである。浅海における測深方法は昭和26年頃まで全部レッドによって深浅測量を実施してきたが、従来よりあった深浅用音響測探機を改良して、10cmまで読取れる優秀な浅海用音響測探機が開発された。このため点測量から線の測深となり、作業能率は格段の進歩を見たのである。また、近年主要港湾には大型船の就航が繁忙となり各港湾の浚渫工事、構造物の築造が進められ、大型船の航海の安全を保障するために精度の高い測量を要求される事態となり、昭和37年3素子音響測深機が出来た。これによりさらに線から面の測量に変つて来た。当港においても昭和41年4素子の測深器を購入したが、本文では、このような測深機を使用した-14.0m本航路浚渫工事後の竣工検査測量と、海図補正のための水路部の検測を対象に検討することとした。次に挙げる例は、室蘭港において経験したもっとも重要な問題点であるが、このような例は各港湾においても多々遭遇する事例であろう。例-14.0m本航路浚渫工事竣工後、竣工検査のため深浅測量を実施し、浚渫工事区域全般にわたり所定の水深があることが確認された。ところが、その後水路部が海図補正のため検測したところ数点にわたり浅所個処が発見された。このような例における深浅測量の目的は、一定水深に達していない浅所個処がを漏れなく発見することであるが、現在行なっている測量方法や、なぜこのような問題が起るかを短い期間ではあるが、当港において検討した結果について報告する。 |