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 北海道の河川における水位区別について(第1報)

作成年度 1969年度
論文名 北海道の河川における水位区別について(第1報)
論文名(和訳)
論文副題 昭和43年度(53)
発表会 昭和43年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和43年度技術研究発表会
発表年月日 1969/12/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
山口嘉之
抄録
指定水位とは「普通量水標において、洪水時毎時水位観測を開始すべき水位」と定義されている。指定水位の決め方としては、たとえば石狩川水系では毎年の水位図より各年1~8回位出水する水位を一応の基準とし、河岸高や既往洪水位を考慮している。一度決められた指定水位はある期間据え置かれることが多いが、河川の改修が進むにつれて河道の流過能力が増大したり、氾濫がむくなったりする結果、各年1~8回生起する水位の値も年月とともに変化すると考えられる。河川計画の基本となる流出、洪水解析を行なうにあたって最も必要な資料の1つに時間と水位、あるいは時間と流量の関係があるが、河道改修によって同一流量を流し得る水位が年々低下し、指定水位から毎時観測を開始したのでは十分な資料を得ることが出来ないようなことがあれば問題である。したがって、指定水位を決定する基準を抽象的なものでなく具体的なものとして、これによって河道の変化をすみやかに取り入れて指定水位を改訂できるようにする必要がある。このように、水位の生起確率は河川改修などによって大きく変ることも有り得るが、流量については気候の周期変動などの効果を考えないとすれば、その生起確率はたとえ年月を経ても水位のそれに比べて特性に大きな変化はないと考えられる。現在、河川の計画高水位の決定には水文量の年最大値の集団に対して超過確率の考え方をとり入れている。しかし、この考え方では年1~8回位生起する確率水文量を求めることは難しい。しかし一般に日雨量や日代表流量といった比較的短い期間の水文量のひん度分布は指定型分布で表現できるとされている。この研究は北海道の河川の水位区別の特性を明らかにするための一連の計画のうち、第1報としてとくに日平均流量に対して指数型分布を適用し、年に数回起るといった確率水文量を求め指定水位の評価を行ない、指定水位をより合理的な有効なものにしようとするものである。なお、このような考え方は従来問題となっているダムの仮排水路の設計流量の推定にも大いに役立つものであろう。
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