一般国道5号線森町地内富士見町~石倉道路改良工事延長約10Kmのうち、富士見町側4Km、石倉側2.4Km、計6.4Kmについては国鉄の路線増設工事と関連があるためにルートの決定には永い年月と幾多の努力がはらわれたが、ようやく昭和42年に双方了解点に達し工事に着手することとなり、昭和44年度中には改良工事が完成する予定である。この附近一帯の地形は内浦湾に面して、海岸線と背面に急峻な斜面を有する丘陵性の山地にはさまれた狭い帯状の土地に、国鉄函館本線と国道5号線が縫うようにして走り、その間に漁村が点在している。というカ所である。この狭あいな土地で道路の改良工事と線路の増設工事(在来線の改良もともなう)のルートを同時に選定するためには。困難な用地の取得を解決するために狭い土地を有効に活用しなければならない。また双方の諸条件を満足したうえで2ツの工事費を加えたものが最も経済的であるとの基本方針にのっとり。他方、構造物の位置高さの関係、工事費の分担割合、施工区分と施行年次の取決め、漁業補償との関連など、数多くの要素を含めて問題の解決にあたってきたものであるが、このためには数種の経済比較と技術的検討が必要となったものである。ここに富士見町側4Kmのうち、特に湯の崎周辺の工事に採用した『H形鋼ぐいを支柱とした鉄筋コンクリート擁壁』と湯の崎トンネル札幌側坑口に施工した『土止めパイプ併用逆打ち式抱き擁壁』の2ツの工法について報告する。 |