石狩平野を南西に流れてきた石狩川は、河口より28kmの江別地点に至り北西に向きを変える。千歳川はこの石狩川の支流であってその源を支笏湖に発し流域面積1,244.3km2、流路延長72.5kmを有している。千歳川の流域は石狩川水系の最南端に位置し、その地勢は南西部と北東部とに分けられ南西部は支笏火山の噴火による隆起と溶岩流とによって形成された山地であり、北東部は日本の上空偏西風によって吹送された火山灰が海を埋めた低平地になっている。千歳川の中下流部はこの北東部に当り、一面の沖積層および火山灰地帯であって、かつては葭や芦の繁つた沼沢地帯を成していた。したがって洪水のたびに水は一面に氾濫しこの地帯はあたかも遊水地の機能を果たしていた。しかしこの流域は気候風土よく農耕の最適地として早くから知られ、近年にわかに河川改修工事が進みそれに伴い沼沢地帯の開墾が行なわれ現在約26,000haの田畑を擁している。しかしこの地域の河道は実に40kmにわたって石狩川本流高水位の影響を受けたん水時間が長く、その上火山灰あるいは一部泥炭などの特殊土質地帯であり、また築堤用土としては通常火山灰しか得られないために洪水処理には色々と難しい問題が残つている。本調査は千歳川流域の代表的地域に試験堤を築造して漏水、ノリ面崩壊、堤体の安全など主として土質工学的見地から解析を加え、洪水に対する火山灰築堤の安全性を検討するための基礎資料と得ようとするものである。 |