最近、事業の進展にともなって、道路盛土、河川築堤工事かつ軟弱地盤で実施される機会が増加し、さらに工事の大型化と工期の短縮化が要望されて、軟弱地盤の対策がますます重要な問題になってきている。このような軟弱地盤の対策については、いろいろな地盤処理工法が考察され、すでに実用化しているものも少なくない。しかし、これらの工法の中には、理論的な取扱い方のできる工法やあるいは、できない工法などがあり、何れにしても今後、解明すべき問題をかかえているものが多い。たとえば、所定の設計計算に基づいて施工した際、地盤処理工法が初期の目的の効果をどの程度発揮させることができたかと言う点についても、まだ、十分に検討解明がなされていない。さらに、地盤処理工法の選定にあたっては、現在のところ明確な基準がない。したがって、北海道における、主として泥炭性軟弱地盤に適した地盤処理工法の選定基準、あるいは、適切な設計計算方法を見出す必要がある。ここでは、このような目的のために、北海道開発局の直轄工事のうち、軟弱地盤処理を行なったものの資料を集め、2、3の検討を加えることにした。本文は、44年度に収集した資料について、その資料の概要、処理効果に関する若干の考察と検討を加えた中間報告である。なお、この調査・研究を実施するに当り、各種調査資料を作成、提出して頂いた各開発建設部の各位に謝意を表する。 |