ボックスカルバートの設計、施工方法については、まだ判然としていない多くの問題点がある。特にカルバートを軟弱地盤上に設けた場合、く体にクラックあるいは不等沈下を生じ、その初期の目的が阻害されるといつたような事故例をしばしば見受ける。こうしたカルバートの破損の原因に付いては種々考えられるが、主としてカルバートの縦方向の安定性が欠けていることによるものと思われる。このため、建設省は技術研究会共通部門の指定課題『軟弱地盤対策に関する研究』の中で、『ボックスカルバートの応力調査』としてこの問題をとりあげ、全国的な調査を通じカルバート縦方向の合理的設計方法に対する検討を進めている。本課題に対する調査、とりまとめは、43年度から始まり、一応45年度完了を目標として進められているが、その研究目的を具体的に述べると次のようになる。1)盛土荷重の計算方法-カルバートにどのような盛土土圧が働くのか。その場合周辺地盤の沈下の影響をどのように考慮すべきなのか。2)曲げモーメントの計算方法-カルバートく体に働く曲げモーメントを計算する理論的な方法があるのか、あるいは観測結果をもとにして経験的な反力分布を仮定した方が適当であるのか。3)設計すべき時点の選定-経時変化する荷重および曲げモーメントに関して、設計計算すべき荷重の大きさ、また反力の形の採用時点をどのように定めたらよいのか。4)基礎型式の選定基準-クイ基礎によるべきか、それともプレローディング工法によるベタ基礎のほうがよいのか。以上4点であるが、開発局においても現在3現場を対象として関連調査を行なっており、金沢第2カルバートおよび産化美唄川開発ひ門の2現場については、工事が完了しておらず資料もまとまっていない。このため今回は、月寒川4号ひ門に関する応力調査結果のみをとりあげ、建設省の全国的なとりまとめ結果と対比させながら中間的な報告を行なった。 |