北海道開発局所管の一般国道には、昭和44年3月現在、コンクリート橋が1.079橋あるが、その約10%にあたる105橋が建設後25年以上経過した鉄筋コンクリート橋である。これらの多くは幅員が狭く、また老朽化の著しいものもかなり多く、荷重制限(2~6t)を行なっている橋梁も3橋ほどある。一方、橋梁の架換には、多額の費用を必要とするので、道路の拡幅にあたっては、簡単な補修程度で既設の橋梁が使用できれば経済的である。また現在荷重制限している橋梁については、そのため、道路の利用価値が大きく制限されることになり、荷重制限の妥当性についても再検討が必要である。これらの理由から、鉄筋コンクリート橋の耐荷力を知ることが急務となっている。しかし、鉄筋コンクリート部材の算定には種々の仮定が設けられており、また理論的にも未解明な点が多く、その挙動を適確につかむことは困難である。このため、鉄筋コンクリート橋の耐荷力の算定についての具体的な提案は現在のところなされていない。本研究は、鉄筋コンクリート橋の耐荷力を算定する基礎的な資料をうる第一歩として、昭和44年度にとりこわされた鉄筋コンクリート橋3橋の調査結果を中心に、鉄筋コンクリート橋の老朽化、耐荷力、耐久性、試験方法の可否などについて検討を加えたものである。 |