茂岩大橋は帯広開発建設部管内の一般国道38号線豊頃町茂岩地内で十勝川と交叉する位置に架設されている橋りようで、昭和28年~36年まで9年の歳月をかけ完成された。橋りよう型式は、ゲルバートラス・ワーレントラス・ゲルバー鋼ゲタの組合せによる道内最長の長大橋(945.0m)である。最近の交通量の急激な増加と車両の大型化により既設の有効幅員6.00mでは交通量をさばききれず、また歩行者に危険を生じたため、43年度より歩道を架設することとなった。歩道拡幅の方法は、側径間ゲルバー鋼ゲタが支間34.0mで、横方向に鋼ゲタを架設し比較的容易に拡幅が可能であるが、中央径間トラス部分は支間が48.0m、108.0mと長大支間のため鋼ゲタ架設が困難である。そこで中央径間トラス部分はトラスコードにブラケツトを取付け、鋼床版による拡幅を行なうこととなった。拡幅は架設橋の下流側に架設される片歩道であり、歩道荷重による応力がトラスコードに加算されると、合計応力は計算上許容応力を40%前後超過する。しかし、実際には両面トラスの共同作用により耐荷力の計算上より大きな数値と考えられる。またトラス全体に偏心荷重によるねじりが生ずるので実施設計に先だちトラスコードの基本耐荷力と両面トラスの荷重分担率を知るために耐荷力調査を行なった。次に、実施設計ではトラスコードにブラケツトを取付ける方法として現場スミ肉溶接を行なうことになっているが、現場スミ肉溶接の許容応力は低く、また取付部分の構造上溶接部の引張応力を生ずる点で応力集中があるものと考えられる。そこでブラケツト取付後、ブラケツトに載荷試験を行ない、この点の安全性を確認することとした。トラスの耐荷力調査は、43年度帯広開発建設部が北海道開発コンサルタントKKに発注し、ブラケツト取付部の応力測定は44年度土木試験所構造研究室が実施した。本稿では、この調査試験の結果について述べる。 |