冬期間における道路の無雪化は欧米諸国においては早くから実行に移されており、無雪道路そのものが常識となっている。しかし我が国においては有料道路の一部区間を除いては全くこの為の対策はなされておらず特に北海道においては、歩道の一部を除いては冬期間の無雪道路は皆無といってよい状態である。北海道開発局土木試験所においては昭和43年2月に一般国道230号小金湯付近、43年12月~44年2月迄一般国道230号一の沢~定山溪間において塩化カルシウム散布による道路の消雪実験を行ない、路面の凍結防止、スリップ事故防止の為に、薬剤が十分その効果を果たしうる事を確認した。しかし薬剤の種類、気温の工程と融雪量の関係、交通車両の攪乱作用による融雪量等を明らかにするに至らなかった。この実験は、一般に街路や道路で融雪剤として使用されている各種化学薬品について、室内実験によってその融解性を調査し、薬剤散布による氷雪処理法の基本的原理を明らかにしようとするものである。本実験においては、交通量、車種構成に関すると思われる車輪の回転数、荷重を考え交通が道路上の氷雪の融解作用に及ぼす影響がどの程度のものであるかを考慮した動的実験を行ない、より現実に近い状態での融解性を解明しようとするものである。 |