河川の護岸工法は経験的な工夫進歩にささえられ、理論的にあまり追究されていないうらみがあるが、先人の苦労の集積だけに現在の工法に基本的な機能上の欠陥は思い出されない。しかし、河川工事のうえで護岸は今後ますます重要な役割を占めるであろうし、工費的に占めるウエートも増大することが予想される。また、近年広く採用されているコンクリートブロック単床工法からさらに強度的に、また耐久性の上で丈夫な工法の開発が望まれている。この調査研究では、護岸工法のうち最も重要な部分である根固工を取りあげ、根固工に関する諸間題を統計的、実験的、理論的に追究しようとするものである。根固工は護岸の一部であって、護岸の基部すなわち最前面に施工して河床の洗掘に対処しようとするものであり、中には水制工的役割を兼ね持つものもある。したがって、根固工としては掃流力・推力に耐え、耐久性が大きく、屈撓性があり、適当な粗度を有するものが理想的な工法である。従来、種々の工法が根固工として実施されてきたが、近年コンクリートブロック工法が大きさ・形状を自由に選びうること、強度・耐久性とも他の工法に比して優れていること、また施工も容易であることなどから広く実施されるようになった。本調査研究では、コンクリートブロック工法による根固工について、ブロックの大きさ、形状、組合せおよび施工基面高、布設巾が流量、流速、河床変動、局部洗掘などの河川条件に対してどうあるべきかを検討し、設計の指針とするものである。 |