コンクリートのポンプ輸送工法は、労務者不足の対策と機械化による生産性の向上を目ざしてこの数年間に急速に普及してきた。現在のところ、ポンプ施工は建築関係が主であり、土木工事についてはトンネル工事を除いては未だ一般的な工法とはいえないが、今後は土木の各種構造物に広く使用されるようになることは疑いない。しかし、ポンプ輸送工法はコンクリートの品質を低下させ易い要素を多く含んでおり、適切な指針に従って正しい施工を行うことが必要であるが、現状ではポンプ輸送工法に関する基本的事項が解明されないまま工事が実施されている面が多い。現在国内におけるポンプ施工に関する指針としては、建築学会が審議中の「コンクリートポンプ工法施工指針案」があるほかは準拠すべきものがないので、開発局としてはコンクリートをポンプ施工する場合の材料、配合の選定および施工管理のための規準を早急に定める必要が生じている。このような状況から、46年度技術研究発表会の指定課題として、コンクリートポンプ工法の施工管理をとり上げ規準作成のための資料を収集することにした。本文はコンクリートポンプ施工の実態調査結果をもとにして、材料、配合の選定、閉塞に関する施工上の問題点などについて検討したものである。 |