国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 土壌改良工法の検討について(第2報)

作成年度 1972年度
論文名 土壌改良工法の検討について(第2報)
論文名(和訳)
論文副題 昭和46年度(E-1)
発表会 昭和46年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和46年度技術研究発表会
発表年月日 1972/11/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
矢野義治
抄録
農用地開発事業や圃場整備事業における土壌改良のうち土壌の酸性矯正をめぐる問題点を整理すると土壌改良に関しては、単に工法上の技術的な問題すなわち炭カル散布上の技術的な問題とか、炭カルと土壌の混和の問題といったもののみではなく、もっと基礎的な問題すなわち土壌の採取に関すること、土壌の処理に関すること、炭カル投入量の算出基礎となる分析法の選択に関することといったものまでが関係する。そしてこれらのいずれの項目もおろそかにできない重要なものばかりである。これら問題点の解決手段としては、ひとつひとつ実証や推論を重ね、精密な用具を使って緻密に分析していく現象分析方法が必要である。例えば、土壌採取における時期の問題をとりあげてみると、月別に圃場内一定個所から採取した土壌のph測定値はどのように変移するか、またその原因は何に起因するかを観察し究明すれば、それでは何時頃採取すれば一番良いかという結論もおのずから得られるのである。この土壌改良工法の問題では結論となる何時、どのような方法で個々の作業を行なうかということを早急に知りたいわけである。このように書くと現在国営事業として多額の国費を投入して行なっている土壌改良工事がいかにも根拠薄弱な学問的基礎理論および施工技術体系の上に立脚しているような印象を与えるきらいもなきにしもあらずである。しかし土壌改良のように複雑で多面的な現象、すなわち、単に土壌のphを中性にするということではなく、作物の生産量、品質との関連、飼料作物においては作物の収量のみでなく作物と動物の関係から動物による産物の量とが品質に関連するような現象を総括的にみた場合の土壌改良の必要性は十分に立証されているのである。ただ土壌改良における、細かい分析に関することや部分的な計量的研究がやや遅れていることなどが研究されずに放置されていたと思われる。それで本課題としてまず土壌改良における個々の問題となる項目の実態調査と基本となる項目を洗いざらい拾い上げて検討し、その後で総合的にまとめようと試みた。本報告は2年目であるが、まだ個々の事象の分析的検討の段階であるので結論として引き出せる事項は少ないが、来年度においてこれら過去2年間の成果をもとに土壌改良工事における施工技術に関する工程管理体系を作る考えである。46年度に調査した項目は次の3点である。(1) 土壌改良資材の算出基礎について特に計画時点と実施時点での相違について(2) 土壌のサンプリングに関する調査(3) 酸性矯正の発現機構に関する調査経年変化および施行後のチェックについて
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