最近の内燃機関の発達は著しいものがあり、私達が使用している、自動車及び建設機械のガソリン、軽油、灯油、重油、または潤滑油及び寒冷地特有の凍結防止液として、不凍液を使用しているがこの役割はきわめて大きい。例えばそれらはエネルギー源の主役でもあり、潤滑油、潤滑剤の主力として、油圧機械類の動力の媒体として、なくてはならないものとなっているからである。すなわち、あの高度の作業性と高能率を有する機械も、一部の燃料及び潤滑油の欠陥のために作業性の低下もしくは能率の低下を起し、ひいては作業の停止、機械の損傷を招くことすら起るのである。これによる損害は直接的には、機械の修理費、稼働率低下による損害、工事工程の乱れによる損害等であり、更に間接的には工事の遅れによる損害がある。一方、燃料及び油脂類の研究は機械の発展と相伴って強力に進められ、次々とその改質改良が続けられている。この結果、用途により、品質により、又、メーカーにより種々多様な燃料及び潤滑油が市販されている。本稿はこれらを総体的に分類し、主に当局で使用する燃料油に十分注意するために各建設部、及び管内において使する燃料油の品質検査について日本品質規格(JIS)にもとずき、品質確認試験を実施し、規格外品並びに不良品使用防止を防ぐため試験測定を実施しているので、試験項目、新型自動試験器具、試験の意義、燃料油としての必要な性状について説明するものである。 |