プレパックドコンクリート工法が我国に導入されて約20年になるが、現在迄に集積された多くの研究成果と施工実績によって、港湾構造物などの水中施工には最も確実な施工法として広く採用されるに至つている。局内においてもかなり多くの施工実績が得られているが、注入モルタルの配合については単に局の標準配合表によって画一的に運用されており、特性値としてモルタルの流下時間で管理するとともに膨張率とブリージンブ率の範囲を規定しているのみで、強度については二義的な値として参考までに求めているのが実状といえる。プレパックドコンクリートの品質は、注入モルタルの性状による影響が大きいことは既に明らかなところであり、注入モルタルの配合自体も用いるセメントの種類、細骨材の粒形、粒度、練りまぜ用水モルタル温度など多くの要因によって異なると考えられるが、これらの要因を配合に反映させ、施工の際の管理基準として圧縮強度あるいは耐久性から必要となる水セメント比によることも一つの方策と考えられる。本文は、これらのことから今後の設計積算に対する参考資料を得る目的で、局内の各現場で工事に使用している細骨材について物理的性質を明らかにするとともに、注入モルタルの流動性に与える影響を求めて、モルタルの水セメント比とプレパックドコンクリートの圧縮強度および凍結融解に対する抵抗性などの関係について、各現場における施工成果の調査資料とあわせて検討を行なったものである。 |