釧路空港は、道東地方の拠点空港として昭和35年、釧路市の北西約20Kmの地点に開設以来、地方文化経済にこう献し、利用客も年々増加し、昭和45年には12万人に達した。しかも、釧路空港は北海道第3期総合開発計画における拠点地域の一つである釧路市を中心とする釧路経適圏、阿寒・大雪知床などの国立・国定公園郡をひかえ、札幌や東京との結びつきが一般と強くなり、今後の利用客の大巾な増加が予想されている。しかし、当空港は全国的にも有名な濃海霧地帯にあり、6~8月の観光シーズンなど、経済活動期における欠航率が他の空港に比べて高く、生活の活動拠点としては致命的な欠陥となっている。このような現状を打開し、航空機運航の定時性を図るとともに、急増する利用客に対処するため、中型ジェット機の精密進入が可能となるように、滑走路の延長、着陸帯の拡巾およびI・L・Sの設置などを骨子とする拡張整備を計画し、現在施工中である。当空港は丘陵地帯の上にあって、ほゞ平らな地形に恵まれているが、土質は阿寒火山郡の火山降下物による火山灰性粘性土で、含水比がきわめて高く、施行機械のトラフィカビリティの確保も因難で、土工の問題点が多い。また、現滑走路は、運航12年の間に、凍上または支持力不足に起因すると思われるクラックが大量にあり、加えて、開設当時の設計機種と、今後就航が予想されるジェット機との重量差による支持力不足に対処するため、滑走路の嵩上げ工事を行ない、合材品質の設定、夜間作業にともなう諸問題の解決に問題が少なくなかった。 |