積雪寒冷地の道路建設において、路床もしくは路盤施工箇所が岩盤となり、岩盤を路床として使用する場合は、対象岩盤の凍上および支持力に対する長期安定性を評価判定する必要がある。しかし、基準化された判定方法がないため、個々の現場で凍上試験等を行い判定するか、凍上および支持力に対する安定性に対して安全側の施工として、路盤材に置き換えて施工しているのが実情である。すなわち、簡易で合理的な判定法を確立することにより、岩盤部の路床への有効利用や、掘削に伴う建設副産物の抑制などが期待される。これまでに岩盤路床となる古第三紀堆積岩類に対して凍結融解試験および新たに考案した凍結融解凍上試験等を実施し、岩盤の凍上・支持力の簡易判定法確立に向けた検討結果を報告した。また、合否を判定した岩盤および考案した簡易判定法について、その妥当性を検証するために実施している現地モニタリング結果を報告した。さらに、岩石が凍結融解によって劣化するメカニズムを解明する目的で実施した岩石劣化試験を報告した。本報告では新たなフィールドにて、これまでの岩種と異なる岩石にて行った簡易判定法による合否判定、および継続観測を行っている現地モニタリング結果について報告する。 |