冬期路面状態の把握は、効果的・効率的な冬期路面管理を目指す上で重要な要素である。しかしながら、冬期の路面状態は道路構造物、沿道環境、天候等によって複雑に変化するとともに把握が難しいのが現状である。このような中、北海道の国道の冬期道路維持管理における路面状態の把握は目視により行われている。2007年1~2月に実際の道路において調査員が路面状態を目視判断した結果と当研究所が所有するフルロック式バス型すべり試験車によるすべり摩擦係数の測定結果を示したものである。目視で露出路面(乾燥・湿潤)と判断されたにも関わらず、低いすべり摩擦係数値となり、実際には雪氷路面であったと考えられる地点や目視で雪氷路面と判断されたにも関わらず、高いすべり摩擦係数値となり、実際には露出路面に近い状態であった地点が存在する。このような過大・過小評価は、凍結防止剤等の過剰散布や散布が必要な区間の見落としにつながると考えられる。著者らは、冬期路面状態の目視判断を補完する客観的かつ定量的な把握・評価手法として、既に欧米諸国等の冬期路面管理において適用が進められている路面のすべり抵抗値の活用について調査検討を行っている。昨年度は、諸外国で冬期道路管理に用いられている加速度計の他、路面のすべり抵抗値を連続的に測定可能な「連続路面すべり抵抗値測定装置」を試験的に導入し、我が国での活用の可能性について検討した。また、すべり抵抗値の違いが車両の挙動に及ぼす影響についても並行して調べた。本稿では、これらの結果について報告する。 |