当研究所では、これまで積雪寒冷地である北海道地区における再生骨材を使用したコンクリートの利用拡大を目指し、特に再生骨材を使用したコンクリートの凍結融解抵抗性に重点をおいた研究を行ってきた。この研究成果を一部反映し、「プレキャスト無筋コンクリート用再生粗骨材の品質規格(案)」および 「再生粗骨材を用いたプレキャスト無筋コンクリート及びその材料と製造に関する規格(案)」がJCI 北海道支部より発行された。しかし、北海道における再生骨材を用いたコンクリートの構造物等への適用実績はほとんどなく、今後利用を促進するためには実施工での検証が必要であった。そこで、実環境下において再生粗骨材を用いたコンクリートが十分な性能を有しているか評価することを目的とし、札幌開発建設部岩見沢道路事務所管内の一般国道12号の歩道改修工事において、前述した規格(案)に準拠して作製された再生粗骨材を用いたプレキャスト無筋コンクリート縁石を歩道境界縁石の一部に適用した。これは新技術、新工法を試験的に現場で用いてその評価を行う試験フィールド事業として実施されたものであり、当研究所では、この再生縁石の初期性能および設置後1年・3年経過時点での性能評価を実施してきた。このうち、再生縁石の初期性能については「再生骨材を用いたプレキャスト無筋コンクリート製品の試験施工について」で既に報じている。本稿は、再生縁石の設置後3年目までの継続調査の結果について報告するものである。 |