「みなと」は、古くから地域の拠点として、暮らし・産業を支え、特色のある歴史・文化を育んできたが、臨海部の物流・産業変化により地域住民から遠い存在となっていた。近年は、「みなと」が本来もっていたはずの魅力を取り戻すべく、みなとと海を地域活性化に活かす「みなとまちづくり」を国が推進しているところである。その「みなとまちづくり」の一環として「みなとオアシス」が平成15年に中国・四国地方整備局で制度化され、「みなと」での「人と人との交流」できる場所を「みなとオアシス」として登録し、地域住民の連携した取組により地域の更なる活性化をめざしている。その後、「みなとオアシス」は全国に広がり、東北地方、北陸地方、九州地方の各整備局でも登録制度が創設され、平成19年11月末時点で33港湾が「みなとオアシス」に登録されている状況である。北海道開発局でも、地域の特色を生かし、地域住民が参加したにぎわいの創出や観光の拠点づくりなど、地域の魅力づくりに貢献できるみなとづくりをめざし、平成19年2月に「北海道みなとオアシス」制度を創設し、道内に展開しようとしているところである。本報告では、全国に広がりを見せている「みなとオアシス」の概要を説明した上で、「北海道みなとオアシス」について登録事例も交えながら紹介するものである。 |