近年、国際観光の重要性が増す中、道路においても観光振興への貢献が重要となっており、2007年1月に施行された観光立国推進基本法でも国や自治体の貢献が責務とされている。そのような背景の中、2004年から本格的に始まった「シーニックバイウェイ北海道」をはじめ、「日本風景街道」など、道路資産を有効活用し、地域に新たな活力と富をもたらす"みち"をテーマとした観光・地域振興の取り組み進められている。北海道ではこのような活動も契機となり、近年アジアを中心とした外国人観光客による車窓からの美しい沿道景観を楽しみながらのレンタカードライブ観光の人気が急速に高まっている。さらに、来道外国人の半数を占める台湾人観光客が2007年9月より、日本国内での運転が可能になったことから、外国人ドライブの増加が予想される。海外の既存研究からは、レンタカードライブ観光をする外国人観光客は高い所得と高い教育を受けている人が多いとの結果があり、また、北海道観光に訪れる外国人についても海外旅行経験が豊富な富裕層が多かった。そこで、これまで官民が連携して行ってきた外国人ドライブ観光に関する実証実験を踏まえ、諸外国において展開されている様々な取り組みについて調査分析すると共に、ドライブ観光に関するアンケート調査を実施した。本稿では、これらの調査結果を考察するとともに、北海道において国際競争力のある「道路を活用した観光」の実現に向け、今後増大が見込まれる外国人ドライブ観光に関して、今後必要と考えられる取り組みについて提案する。 |