昭和33年度2級国道小樽江差線鎧橋架換工事において、下部工の基礎杭として、ミックスト・イン・プレイス・パイルを施工したが、その概略をのべ参考に供しようと思う。ミックスト・イン・プレイス・パイルとは、基礎地盤の自然の土砂をそのままコンクリートの骨材として利用し、土砂中に注入されるプレパクト・ペーストとともに攪拌混合し、ソイル・コンクリート杭を造るのである。当初の設計では、32年度に古平橋で施工したキャスト・イン・プレイス・パイルを採用する予定であったが後述のような関係から、これを前記の工法に変更した。キャスト・イン・プレイス・パイルとは、一種の場所詰杭であり、アース・オーガーにより基礎地盤中に、所定の位置まで削孔をなし、その中に粗骨材を投入し、その空隙にプレパクト・モルタルを注入して製作するものである。この工法では、孔周辺の土砂が崩落するところではケーシング・パイプをしようするが、本橋において施工の際は、ケーシング・パイプ約2本挿入の位置で、次のオーガーによる削孔および、パイプ接続などの時間の経過により、砂質土のために、パイプが締め付けられる結果、以後のケーシング・パイプの回転挿入が極めて困難となり、しかもオーガーによる削孔後の土砂の崩落が大きく、この工法による施工は不可能と考えられるに至ったので、これを取止め、ミックスト・イン・プレイス・パイルに変更した。 |