北海道開発局営繕部で現在使用している建築工事共通仕様書は、建設省営繕局制定のものであるが、これは全国どこでも共通に使えるようになっている。反面、北海道のように地域的に特殊事情のあるところでは、その都度特記仕様で補足しなければならない事項が多く、かねてから共通する補足仕様は共通特記仕様として制定の必要が痛感されていた。しかしながらその内容については、学問的に結論が容易に出せない事項もあるので取りあげかねていたのであるが、現在学問的に、あるいは技術的に一応了解できる程度のことは工事の仕様として採用し、これにより施工や材料などで簡単なものは道内工事の慣習のまま実施されがちな不明確さを解消し、なお、上に述べたように道内施工の特殊性を認識して妥当と開められるものは積極的に採用し、質の向上と、工事実施の正確化と、設計の都度図面特記する煩わしさを避け、あわせて補足仕様の共通する事項を統一するなどの趣旨によって表題の仕様書として、別冊建築工事共通仕様書共通特記仕様を昭和33年秋開発局営繕部で制定した。なお、この共通特記仕様は(以下共特仕と称する)建設省営繕局制定の建築工事共通仕様所(以下原文と称する)の北海道内施工のための補足となるように編集してあるので、原文と対照しなければならないが、この原文の各章は下記のように分類されている。記建築工事共通仕様書(建設省営繕局制定昭和32年版)目次1章 一般共通事項2章 仮設工事3章 土工事4章 地業工事5章 鉄筋コンクリート工事6章 鉄骨工事7章 コンクリートブロック および レンガ工事8章 防水工事9章 石工事10章 タイル工事11章 木工事12章 屋根工事13章 金属工事14章 左官工事15章 建具工事16章 塗装工事17章 内装工事18章 舗装工事19章 排水工事20章 雑工事上記のうち、9章石工事、10章タイル工事、13章金属工事、18章舗装工事、19章排水工事、20章雑工事、の各工事については差し当たって取り上げる問題が少ないので共特仕では省略してある。ただし、14章左官工事、16章塗装については冬期施工の仕様として、コンクリート工事とともに取り上げるべき重要な内容があるので、現在成案を検討中であって、これができ次第当然追加されることになる。また、現在制定された各項についても全面的に年々検討が加えられて、さらに良いものへと改定されてゆかなければならないと考える。 |