北海道に産出する骨材の品質その分布を系統的に調査した例があまりないので、昭和32年度、33年度にわたり各建設部の協力を戴いて、土木試験所構造研究室が直接調査の上採取した骨材につき品質試験を行った。現在まではコンクリート用骨材として使用する際、骨材を土木試験所に送付するか、また、建設部において試験を行い使用の適否を判断する方法をとってきたが、多くの場合過去の使用例、経験などにより甚だしいのには骨材であればという傾向すらあったが、今回の調査試験の結果から骨材採取箇所の仮定、また、小工事において骨材を使用する際の目安になれば幸いである。しかし、今回調査の上採取した骨材の試験結果は採取場所の限られた一部であり、また、ただ一回のみの試験成績なので、その採取した河川海岸の骨材全体を律することはできない。同じ河川においても時期、採取場所、深度などが異なると試験結果が極端に異なる例もあり、今回の試験結果で一応概略の品質を知ることはできるが、重要な構造物のコンクリート用骨材その他の工事において使用する際には十分骨材の採取に注意し、骨材の品質試験を行って骨材の適否を判断しなければならないことはいうまでもない。今回の骨材試料の採取に当たっては各建設部管内の主な河川、海岸を選出し、また、採取時に各建設部と打合せの上、採取現地に赴き、粗骨材の場合概略の最大寸法により、30kgないし70kgの試料を、また、細骨材の場合は7kgないし10kgの試料を採取し、汽車にて試験所に搬入して品質試験を行った。骨材の品質試験方法は昭和31年土木学会制定のコンクリート標準示方書に準じて粗骨材は比重および吸水量、単位容積重量、フルイ分け、骨材の洗い、ドバル試験機によるスリヘリ、硫酸ナトリウムの飽和溶液による安定性の7つの試験をまた細骨材は比重、吸水量、単位容積重量、フルイ分け、骨材の洗い、硫酸ナトリウムの飽和溶液による安定性、有機不純物試験の7つの試験を行った。 |