国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 深川橋模型実験について

作成年度 1961年度
論文名 深川橋模型実験について
論文名(和訳)
論文副題 昭和35年度(1)
発表会 昭和35年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和35年度技術研究発表会
発表年月日 1961/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
石井収
西堀忠信
抄録
この実験は深川橋のランガー桁の模型実験である。ランガー桁はプレストレスを入れ、応力調整し、合理的に設計しようという意図で計画されたが、ランガー桁の応力特性は計算値とどのような関係にあるか。またプレストレスの方法、量と計算値の関係はどうかを確かめるために、この実験が計画された。なおこの実験に関しては設計が石狩川治水事務所、製作は横河橋梁K.K.、実験は土木試験所が担当して行なった。アーチリブは挌点においてヒンジを有するものと、有しないものの2種類を作った。これは前者がランガー桁の計算上の仮定に近いもの、後者が実橋に近いものと考え、それぞれA型、B型とし実験を行なった。プレストレスの方法には次の3つが考えられる。すなわち(1)アーチに直接プレストレスを加える方法(2)補剛桁を単純桁の状態でプレストレスを加え、アーチを閉じる間接的な方法(3)吊材にプレストレスを加える方法(1)はアーチの拱頂にジャッキを取付け、押開き補剛桁に負の曲げモーメントを与えるものである。模型では第7パネルのアーチリブのかわりにジャッキを取付けた。(2)は突桁部を有するものではこれにサーチャージを載せる方法もあるが、この場合には斜吊橋(または吊橋)のように桁を吊り、このワイヤーに引張力を加え、桁に曲げモーメントを与える方法による。また支保工を組む場合などは、これにジャッキを置き、桁を曲げ上げる方法もある。模型では深川橋で可能性を有するワイヤーによる方法をとった。(3)はランガーの状態にした後吊材の長さを縮める方法である。この模型では吊材に取付けられたターンバックルによった。しかしこの模型での(2)、(3)の実験には、一部に改良を加えなければ良好な測定結果が得られないのでここには主として(1)について行なった結果を記した。実験は次の3段階に分けて行なった。(1)予備実験 使用材料の弾性係数を測定した(製作所で行なった)結果、2.14かける10^-6であった。補剛桁だけで単純梁の実験を行った。結果は図1-2に示すように、計算結果によく一致することがわかった。(2)応力特性実験 ランガー桁の曲げモーメントと撓みの影響線を計算結果と比較した。これはA、B両型について行なったもので、格点荷重は200kg/主桁である。また格点1~6に載荷したもの、1~12に載荷したものも行った。結果は図1-3に示すとおりである。(3)プレストレス実験 プレストレスと補剛桁の曲げモーメント、撓みの関係をしめした。(1)の方法による結果は図1-4に示すとおりであり、計算とかなりよく一致する。この実験に使用した機械器具は表1-2に示す。
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