今日ソイルセメント工法は、広く実用化されてきたが、道東地方においても、最近1~2年間に、急速に普及してきた。しかし、当地方は、冬期気温の低下はなはだしく、とくに除雪された舗装面は、季節風にさらされるため、さらに風速による温度の低下現象をうけ、(風速1m/sにつき温度の低下1℃といわれる)ソイルセメントの収縮により、舗装面まで亀裂を生ずるという問題が生じてきた。ソイルセメントの配合設計は、各国とも主として、圧縮強度を基準としているが、Cottonは、砂利質土について、強度のほか、耐久性試験(12サイクルの湿潤乾燥、または凍結融解)における最大許容損失量14%、最大許容体積変化2%を規定しており、当地方のように、凍結の激しい場合には、この点を考慮して、セメント量を定めなければならない。しかし、耐久性試験は設備と時間を要するので、現場で行なうことは実際に困難である。昨年度施工した道路舗装は(ソイルセメント15cm上にアスコン6cm、アスモル1.5cm)で昨年12月より亀裂が入り始め、冬期間中に平均20~30mに1本の割合で横断方向に1~2m/m程度の亀裂を生じた。この亀裂は縦断方向には全然見られず、また亀裂の両側では、高低差のないことなどにより、ソイルセメント層の収縮による亀裂と考えられた。この場合ソイルセメントの単位セメント量は120kg/m3であった。しかし、空港ではソイルセメントの圧縮強度を、σ7≧30kg/cm2以上と規定し、セメント量140kg/m3を採用したが、施工延長480mについて、7~8本程度の亀裂しか生じなかった。このことは、空港では昨冬約30cmの積雪があり、この保温効果によったものと考えられる。 |