国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 釧路空港セメント安定処理について

作成年度 1961年度
論文名 釧路空港セメント安定処理について
論文名(和訳)
論文副題 昭和35年度(75)
発表会 昭和35年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和35年度技術研究発表会
発表年月日 1961/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
榊暢雄
抄録
今日ソイルセメント工法は、広く実用化されてきたが、道東地方においても、最近1~2年間に、急速に普及してきた。しかし、当地方は、冬期気温の低下はなはだしく、とくに除雪された舗装面は、季節風にさらされるため、さらに風速による温度の低下現象をうけ、(風速1m/sにつき温度の低下1℃といわれる)ソイルセメントの収縮により、舗装面まで亀裂を生ずるという問題が生じてきた。ソイルセメントの配合設計は、各国とも主として、圧縮強度を基準としているが、Cottonは、砂利質土について、強度のほか、耐久性試験(12サイクルの湿潤乾燥、または凍結融解)における最大許容損失量14%、最大許容体積変化2%を規定しており、当地方のように、凍結の激しい場合には、この点を考慮して、セメント量を定めなければならない。しかし、耐久性試験は設備と時間を要するので、現場で行なうことは実際に困難である。昨年度施工した道路舗装は(ソイルセメント15cm上にアスコン6cm、アスモル1.5cm)で昨年12月より亀裂が入り始め、冬期間中に平均20~30mに1本の割合で横断方向に1~2m/m程度の亀裂を生じた。この亀裂は縦断方向には全然見られず、また亀裂の両側では、高低差のないことなどにより、ソイルセメント層の収縮による亀裂と考えられた。この場合ソイルセメントの単位セメント量は120kg/m3であった。しかし、空港ではソイルセメントの圧縮強度を、σ7≧30kg/cm2以上と規定し、セメント量140kg/m3を採用したが、施工延長480mについて、7~8本程度の亀裂しか生じなかった。このことは、空港では昨冬約30cmの積雪があり、この保温効果によったものと考えられる。
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