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 北海道産骨材の品質について(第2報)

作成年度 1961年度
論文名 北海道産骨材の品質について(第2報)
論文名(和訳)
論文副題 昭和35年度(14)
発表会 昭和35年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和35年度技術研究発表会
発表年月日 1961/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
岡村武
抄録
コンクリートの体積の大部分を占める骨材の良否が、コンクリートの強度に大きい影響をもつことは、当然であって、よいコンクリートを作るためには、骨材の選択に充分注意を払わねばならない。したがって骨材は、コンクリートに要求する強度以上の強さをもつ充分堅硬なものでなくてはならず、コンクリートの耐久性を保つために骨材自身も風化作用、場合によっては種々の化学作用に対して充分抵抗性をもたなければならない。本報告は昭和34年度および昭和35年度において土木試験所構造研究室が、直接調査採取した札幌開発建設部および稚内開発建設部管内の骨材の品質試験の結果の報告である。札幌開発建設部管内において河川産の骨材で広く使用されているのは、石狩川、当別川、音江別川、夕張川などであって、代表的な骨材の試験結果は別表に示す。石狩川は奈井江町、深川町あたりから上流が多く使用されており、下流では幾分品質が、ようないので一般にあまり多く使用されていないようである。石狩川産出の細骨材については比重が2.60前後、吸水量は2~3%の砂が多く、品質は中程度のものでコンクリート用細骨材として使用してさしつかえないのがほとんどであるが、採取箇所、時期、深度、また洗浄の程度によって、有機不純物試験に不合格の砂や洗い試験で失われる量が土木学会制定のコンクリート標準示方書に示す程度より多い砂が、往々にして見受けられるので注意しなければならない。石狩川産出の粗骨材については比重は細骨材と同様に2.60前後、吸水量は1.50~3.0%程度で産出の砂利のほとんどが良質なコンクリート用粗骨材といえるが、硫酸ナトリウムによる安定性試験の損失量はほとんどが、5%前後なのであるが、採取箇所によってはコンクリート標準示方書に示す限度の12%より多い骨材があるので注意しなければならない。当別川は砂利、砂ともに良質なものが得られ、骨材購入に当たって骨材の洗浄に充分注意を払えばコンクリート用骨材として使用してさしつかえないものと思われ、採取業者の数も多くかなり上流まで採取している。音江別川は札幌郡広島村字富ヶ岡で川というよりも陸地の表土を除去し、水中から採取しているもので砂の比重は2.50~2.70、吸水量が2~4%程度のものであって、砂利の比重は2.50~2.65、吸水量は2~4%程度である。ここの骨材は札幌市内および近郊の建築コンクリート工事その他非常に広く使用されている模様で、そのためか需要の激増に伴って骨材を乱掘するためでないかと思われる傾向が見え、死石、軽石が非常に多く混入している場合があり、また砂についても品質事態は中等程度のものでコンクリート用細骨材としての使用はさしつかえないものと思われるが、往々にして骨材の洗浄が悪く洗い試験で失われる量が非常に多いことがあり、ここの骨材の使用に当たっては充分に注意する必要がある。夕張川は砂利、砂ともに品質は中程度のものと思われるが、砂利、砂、ともに採取箇所によって石炭塊、石炭粉が混入する傾向が見受けられるので注意しなければならない。
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