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 転圧機械の転圧効果について

作成年度 1961年度
論文名 転圧機械の転圧効果について
論文名(和訳)
論文副題 昭和35年度(78)
発表会 昭和35年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和35年度技術研究発表会
発表年月日 1961/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
作家繁八
抄録
A.不透水性用土①タイヤローラー最適含水比45%は転圧機械に適用しがたいのはもとより、地山含水比平均61%となっているので、用土の乾燥は欠くことができないもので、これにはデスクハローで10~15cm表土を掘り起こし、砕土して自然乾燥を行い、後これを集土してビニールにより防水被覆堆積し貯蔵を行い、含水比管理を徹底して完全施工を行った。この用土はタイヤローラー転圧が適当と認められたが最初にブルトーザーのキャタピラ転圧はタイヤローラー転圧を非常に効果的に助けているのが認められた。それはタイヤローラーが先に転圧すると、、バラバラになった用土が、横にはみ出して不平均一になり、これは含水比が高いほどはげしくなり、仕上面が凹凸で醜く測定の際の判定がむずかしく、かつキャタ転圧の併用に比し、ロスが大きい。また自走式の場合などはとくにこの点がはげしく、まき出し厚が大の場合、含水比が高くて登坂の場合はスリップがあり、設計には充分の考慮が必要である。②その他のゴムタイヤー転輪の転圧効果最近道路工事の場合、故意に通過する一般自動車を工事路面に走らせて、自然転圧を行っている現場が見受けられるが、これは盛土に対して有効な転圧効果を及ぼす。たとえはキャリオールスクレーパーの往復によって、かなりの程度まで盛土が締め固められた例もある。これらゴムタイヤ付車輪は、タイヤの空気圧力に相当した接地圧力をもって転圧されるばかりでなく、(ソリッドタイヤの場合はタイヤの接地面積に応じて接地圧力も変わる)タイヤの直下とその付近の土中の水分の逸散を助ける効果がある。この場合地表付近では比較的転圧効果が低く、地表付近において乾燥密度が低いのは、この付近までは車輪の通過によって締め固められた土中に亀裂を生ずるなどかえって損傷されることの影響であろう。ここの実験に用いた自動車は4t貨物自動車(空車)の後車輪である。B.半透水性用土タンピングローラー地山含水比平均53%はブルトーザーで掘さく運土するとき、細砂、粗砂が多く含んでいるので最適含水比、前後まで下がるので施工は容易であるといえる。しかしこの用土は転圧機械をより好みし各データーをプロットすると曲線になりがたく、沈下曲線と締め固め曲線との相関が成立しない。これは測定された沈下量は真の沈下を示さず、機械の通過時のささりならびに振動で用土が左右に圧しだされる結果と考えられる。結局その中で、一番効果的かつ理想的に転圧されるのはタンピングローラーであり、この用土で含水比30~40%でタンピングローラの使用は、今後の種々工事には重要な位置を示すものと考えられる。この機械は輸入されたシープスフートロラーから生まれた機械で、この形式のローラーは、ローラー面に突き出している脚の先端に集中した大きい力(転圧力)と転圧に伴う突き固め作用によって転圧されるもので、また転圧面における圧力分布の不均等が土中水分の散水、ひいては間隙水圧発生の減少に効果があることは広く認められている。しかしわが国の気象条件では盛土の含水量が非常に多く、また降水日の間隔が短いために、こういう状態の土や粘着性の土に対しては、いわゆる普通の形式のシープスフートローラーは、ローラー面への土の付着がはなはだしく、使用は困難である。この傾向はローラーの脚の先端が広がっているような状態(クラブフート式)ではことに著しい。このような種々条件を調査し改良したタンピングローラーが現在使用される状態になってきたことは、一時タンピングローラーを漠然と敬遠した時代を乗り越えた大きな成果であると考える。C.透水性用土バイブレーションローラー粘度含有量5~3%で大部分が砂礫を有しており、このような用土には、振動式が非常な好果を得ている。そしてこの用土は、各工事に広く使用される性質を持っているので、その認識はとくに必要である。転圧試験の結果では、全土取場中で最も含水比の影響が少なく、したがって透水係数も大きいので、雨天の日を除くほかは、あまり極端に気象条件に左右されない。したがってアースダムのように相関性があるものは、別としてこの用土を主体として施工する場合は効率の良い用土といえよう。施工には振動数を多く(細かい振動)して中程度の速度にし、2回以上から前の継ぎ目をまたぐように施工することにより、内部組織に均等な締め固めを与えていく工法が妥当と考えられる。D.山際ビプロランマー岩突きだけにかかわらず、狭い場所を転圧する場合、現在まで非常に多くの機械が登場しかつ自然に消え去っていった。青山ダムの場合もサンドランマー、フロックランマー、ソイルコンパクターなどが計画され、用途に応じきれなくて姿を消して行っている。
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