泥炭地に盛土をした場合、現在行なわれているような河川築堤の盛高2~4m程度の小規模なものであっても、竣工時までに相当量の堤体圧縮と基盤沈下が生ずるだけでなく、竣工後においてもこれらの変形は無視できない量と長期の経過をたどるのである。このために所定断面、盛高の築堤を行なおうとする場合、これが基盤の支持力を超えて安定度に危険が生ずることのないような場合であっても、施工中と施工後の変形が大きいため所定のものを得るために必要な断面・盛高を予定することが従来きわめて困難であった。これを明らかにするためには、実際の築堤について変形のデータを集積し、その環境条件との関係を明らかにするとともに、築堤と基盤の構成材料の変形特性を調べて、それらの相関性を究め、一般法則化することが望ましい。このために、我々は昭和28年より石狩川流域泥炭地のうち、主として幾春別川新水路築堤、旧豊平川新水路築堤において調査を進めてきた。調査方法およびこれまでの結果の大要については建設省直轄技術研究会、その他においてすでに何回か報告されている。本報告は主として、沈下の時間的経過と、本調査における沈下データの取扱方として便宜的に定めた一つの指数"基盤沈下係数"について述べてある。 |