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 パルプ廃液による防塵処理工について

作成年度 1961年度
論文名 パルプ廃液による防塵処理工について
論文名(和訳)
論文副題 昭和35年度(35)
発表会 昭和35年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和35年度技術研究発表会
発表年月日 1961/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
小笠原慶蔵
抄録
パルプの廃液による砂利道の防塵処理については内外を問わずその効果を認め、利用の方法について研究されていることは種々の文献により明らかにされているが、まだ実用化の域に至っていない現状である。北見パルプ会社では廃液を処理するため、河川に希釈放流していたがいろいろのへい害もあるので、何か他に有効に利用できないかということで昭和34年と35年の2ヵ年にわたり国道に散布させ、防塵処理を試みたところ発塵は全くの零となり、また路面の安定にも有効であるという結果が得られた。上記によりパルプ廃液による防塵処理工の調査を独自の立場で実施したいと思っていたが、維持作業が多忙なため、ついつのびのびとなりようやく10月25日~11月25日の約1ヶ月にわたり、北見市周辺の1級国道を主体として、防塵処理の試験を実施したのであるが、非常に短期間であったので充分な資料が得られなかったが、北見パルプ株式会社で得た資料と散布中の道路の状況観察と、北見出張所の調査資料をあわせてここに報告したい。パルプ廃液による防塵処理は常に補充することが必要である。ある一定の量に達すると防塵効果は最高の状態となり発塵は全くの零となり、また路面の状況も安定するのであるが、本材は水溶性のもので長期間保有されるものではないため、発塵を常に零に保つには追加散布が必要である。今回の試験では●/㎡を基準量として、一定した日程で追加散布をしたが、追加散布量は気象条件により左右されるのでここでは言明できない。その気象条件に適する以上の散布は道路の安定上好ましくない。また適量散布を行なう場合は水分過剰による道路の破損はおこらない。本材は水溶性ではあるが、散布された廃液の膠質成分と路床土とが混合して密度の高い表層を作り上げるので耐水性を持つ。したがって水溶性のものではあるが降雨による効果の多少もわずかであり、また降雨後の道路の乾燥も早いようである。散布に要する経費は散水車の走行距離で決められるものであって、本試験の場合1m3の散布に対して片道10kmくらいを対象として積算の結果、m3当り平均130円となった。
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